特集 ベッドルームポップ 今、どのアーティストを聴くべきか??
2020年代の音楽シーンを席巻するベッドルームポップの本質 -現代の音楽シーンの主流となるスタイル、ベッドルームポップ- 既に幾つかの記事で言及してきたこの”ベッドルームポップ”ではあるが、まだまだその本質というのは掴みがたいように思える。 筆者も、このベッドルームについては、その特徴について00年代に生まれたミュージシャンの演奏する宅録のポップス・ロックというように定義することができるはずだが、メタルやラップのように、コレというようにその音楽の適用を示すことが現在のところそれほど簡単なことではないように思える。 それもそのはずで、以前の音楽シーンというのは、どこかの地域一点集中で発生するものだったのだ。 しかし、少なくとも、2000年前後くらいまでは、これらの音楽上の潮流というのは、ある国のある地域に集中した音楽ムーブメントであったので、それほど定義づけが困難でなかったように思える。 一つの地域に焦点を絞り、音楽の特質を語り、その音楽に対して音楽メディアや聴衆がどのような反応を示しているのか、あるいは、それが世界的にどのような規模で広がっていったのかを明示しさえすれば、それで充分事足りたのである。 しかも、超一流のミュージシャンに関しては、アメリカ、イギリスの著名なヒットチャートをチェックしておけば、現在のシーンの流れが何となく頭に入って来たのだった。ところが、2010年辺りから、その大衆音楽上の方程式のようなものが崩れてきた。 それはもちろん、これまで何度も述べてきたことだけれども、音楽産業がサブスクリプション配信主流の時代に移行したというのがかなり重要である。つまり、WEB上でミュージシャンが自作品を容易に発表出来るようになったため、レコード産業というコネクションを通さずとも、音楽自体の質が高ければ、なおかつマーケティングの方向性を間違えなければ、幅広いリスナーのシェアを獲得出来るようになったのである。 ミュージシャンのレコーディングについても同様であり、これまでは相当な資金を投資し、マスタリング・エンジニアを雇い、自作品の録音作業をレコーディングスタジオで早くても一日、ながければ何週間もかけて行わなければならなかったのが、2000年代から、ラップトップ上で、レコーディング専用ソフトウェア、ProTools、Logic[....]